借地権×減価償却戦略:現金余剰の富裕層が今あえて借地を選ぶ理由と判断軸

中上級者が知るべき「プロの境界線」

借地権物件は「権利が複雑だから除外」と判断されがちです。しかし、現金に余裕がある富裕層や法人オーナーにとっては、建物価格の割安感・減価償却の設計・地代の扱い・出口の柔軟性を正しく整理すれば、節税とキャッシュフロー(CF)の両立を狙える選択肢になり得ます。本記事では「借地権物件の何をどう見れば判断できるか」を、法的整理・融資条件・節税設計・出口戦略の4軸で丁寧に整理します。

借地権物件が自分の属性・資金計画・保有戦略に合うかを整理したい方は、まずはご相談ください。


この記事で分かること

  • 地上権と賃借権の違い、実務で押さえるべきポイント
  • 借地権物件が減価償却・節税で注目される構造的な理由
  • 銀行が借地権融資をどう見るか、承諾・期間設定の実務
  • 融資期間・CF・出口を含めた総合的な判断軸と考え方

知っておきたい用語

  • 底地【そこち】: 借地権が設定されている土地のうち、地主が持つ「土地所有権」の部分のこと。家の基礎部分だけ持っているようなイメージで、借地人がいる間は自分では自由に使えない土地です。

借地権物件とは何か。地上権・賃借権の違いをどう押さえるか

借地権とは、建物を所有する目的で他人の土地を借りる権利のことです。大きく「地上権」と「賃借権」の2種類があり、権利の強さが大きく異なるため、投資判断では必ずどちらかを確認する必要があります。

借地権の法的定義

借地借家法では、借地権は「建物の所有を目的とする地上権又は土地の賃借権」と定義されています(借地借家法第2条1号)。

実務上、ほとんどの借地権付き物件は「賃借権」です。地上権が設定されているケースは比較的まれです。

地上権と賃借権の違い

比較項目地上権賃借権
権利の性質物権(強い)債権(相対的)
登記地主に登記請求できる地主に登記義務なし
譲渡・転貸地主承諾不要地主承諾が原則必要
抵当権設定地上権に直接設定可建物に設定(地主承諾が現実的に必要)
実務上の多さ少数大多数

地上権は物権であるため、地主の意向に関わらず単独で売却・転貸・担保設定ができます。一方、賃借権は債権(当事者間の合意にもとづく権利)であるため、第三者への譲渡や転貸には地主の承諾が原則必要です。

借地権の種類(新法・旧法)

新借地借家法(平成4年施行)以降の普通借地権は最初の契約期間が30年以上で、借地人が希望する限り更新が可能です。定期借地権は更新なしで終了する契約です。旧借地法(昭和41年以前の契約)のもとで設定された「旧法借地権」も実務では多く存在します。

投資判断で見るべきポイントは、権利の種類よりも「契約の残存期間」「更新の可否」「地代水準」「承諾関係の整理状況」の4点です。

落とし穴

借地権が「地上権か賃借権か」を確認せずに進める人は少なくありません。登記簿謄本で「地上権」の記載がなければ賃借権です。賃借権の場合、売却・担保設定・建替えのたびに地主承諾が必要になるため、地主との関係性と承諾実績を事前に確認することが重要です。

チェックリスト

  • [ ] 登記簿謄本で「地上権」か「賃借権」かを確認した
  • [ ] 普通借地権か定期借地権か(旧法か新法か)を確認した
  • [ ] 借地契約の残存期間を確認した
  • [ ] 更新条件・更新料の定めを契約書で確認した
  • [ ] 地代水準が周辺相場と大きく乖離していないか確認した
  • [ ] 過去の承諾(増改築・譲渡)の実績・関係性を確認した

1分で要点整理

「借地権付き物件ですが、地上権と賃借権のどちらですか?賃借権の場合、売却・担保設定・建替えには地主承諾が必要になります。残存期間・更新条件・地代水準を最初に確認させてください。」

判断基準

  • 地上権の場合:譲渡・担保設定の自由度が高く、融資・出口ともに相対的に動かしやすい
  • 賃借権(普通借地権)の場合:地主との関係性・承諾実績が判断の軸になる。地主が法人(信託・大手企業)であれば承諾フローが整備されていることが多い
  • 定期借地権の場合:残存期間が短くなるほど担保評価が落ち、売却難易度も上がるため出口設計が最優先

なぜ借地権物件は減価償却と節税の観点で注目されるのか

借地権付き物件が節税設計で注目される理由は、「購入価格のうち減価償却できる建物割合が、所有権物件より相対的に高くなりやすい」構造にあります。

借地権物件の価格構造

通常の所有権物件では、購入価格は「土地価格+建物価格」で構成されます。このうち減価償却できるのは建物部分のみです(土地は減価償却対象外)。

借地権付き物件の場合、土地所有権はなく「借地権+建物」という構成になります。借地権は無形固定資産に分類されるため、減価償却の対象外です。

結果として、「総取得価額のうち建物に割り当てられる金額が、所有権物件と比べて相対的に大きくなる」ことがあります。これが節税設計上の起点になります。

建物の法定耐用年数と減価償却の仕組み

国税庁が定める建物の法定耐用年数(住宅用)は構造によって異なります:

  • 木造:22年
  • 鉄骨造(骨格材4mm超):34年
  • RC造・SRC造:47年

減価償却費は「取得価額 × 償却率(定額法)」で計算されます。法定耐用年数が短いほど年間の減価償却費が大きくなり、短期に集中して費用計上ができます。

中古物件の場合は、法定耐用年数ではなく「使用可能期間の見積耐用年数」を使うことがあります(法定耐用年数を超えている場合は「法定耐用年数×20%」が簡便耐用年数の目安です。ただし、取得価額が新築時価額の50%を超える場合は法定耐用年数を使います)。

現金購入による節税設計の考え方

現金余剰のある富裕層や法人オーナーが借地権物件に注目する主な理由は以下の3点です:

  1. 購入価格が低め:土地所有権を含まない分、同立地の所有権物件より取得価格が抑えられることがある
  2. 建物割合が高く減価償却が立てやすい:価格構成上、減価償却できる建物部分の比率を高く設定できるケースがある
  3. 土地固定資産税がかからない:土地は地主のものであるため、借地人は土地の固定資産税・都市計画税を負担しない

ただし、地代(毎月の土地使用料)は継続費用として発生します。地代水準が高ければ、固定資産税の非課税メリットが相殺される場合もあります。

落とし穴

「減価償却が大きい=節税できる=買い」という直線的な判断は危険です。減価償却で生まれる帳簿上の赤字は将来の出口(売却)で「取得費の圧縮」として戻ってくる場合があります(いわゆる「デッドクロス後の課税問題」)。節税効果の出口対策まで含めて設計しないと、後で高い税金がかかるリスクがあります。詳細は税理士への個別確認が必須です。

チェックリスト

  • [ ] 取得価額における建物割合を算出・確認した
  • [ ] 建物の構造・築年数から使用可能耐用年数を試算した(税理士確認前)
  • [ ] 地代の年額を把握し、固定資産税非課税メリットとの実質比較をした
  • [ ] 減価償却終了後のデッドクロス・出口課税について税理士に相談した
  • [ ] 法人所有か個人所有かによる税務上の違いを整理した

1分で要点整理

「借地権付き物件は土地部分が減価償却の対象外になる一方で、建物価格の割合が高くなりやすく、減価償却を活用した節税設計がしやすい面があります。ただし地代の継続コストと出口時の課税設計まで含めて検討する必要があります。個別の税務判断は税理士にご確認ください。」

判断基準

  • 現金余剰・高所得で節税優先の局面:建物割合が高く、法定耐用年数が短い物件(木造中古など)は相対的に高い年間減価償却費が見込める。ただし出口の税務設計とセットで検討
  • 長期CF安定重視の局面:地代負担を含めた実質CF収支を精査し、减価償却メリットだけで判断しない
  • 法人オーナーの場合:法人税との兼ね合いで節税効果の活かし方が異なるため、税理士・顧問へ事前相談を推奨

銀行は借地権物件をどう見て、どんな条件なら融資を検討するのか

借地権付き物件への融資は、所有権物件より制約が多く、対応できる金融機関が絞られます。ただし「融資が出ない」とは断定できず、権利形態・立地・地主属性・承諾状況によっては検討テーブルに乗ることがあります。

銀行が借地権融資を慎重に見る理由

銀行が借地権物件に慎重なのは、担保評価の難しさにあります。

土地は地主のものであるため、原則として銀行は土地に抵当権を設定できません。建物のみへの抵当権設定は法律上可能ですが、借地権者が地代を滞納して借地契約が解除された場合、建物の担保価値が大きく毀損するリスクがあります。

このため、多くの金融機関は融資の実行に際して地主から「承諾書」を取得することを条件とします。承諾書には「地代滞納があった場合に金融機関へ事前通知する」旨が盛り込まれるのが一般的です。

担保評価の考え方

普通借地権(好立地)の場合、担保評価が土地所有権の一定割合まで認められることがあります。ただし評価割合は金融機関・エリア・権利関係によって異なり、一律の基準はありません。

定期借地権の場合、返済期間の上限は借地契約の残存期間を超えないよう設定されます(住宅金融支援機構・フラット35も同様の規定があります)。残存期間が短ければ融資期間も短くなり、月々の返済が重くなります。

融資検討のポイント

以下の条件が揃うと、金融機関の検討テーブルに乗りやすくなります:

  • 地上権であること(担保設定の自由度が高い)
  • 普通借地権で契約残存期間が十分にある
  • 地主が法人(信託・大手企業)であり、承諾フローが整備されている
  • 立地が都心・好立地で担保価値の評価がしやすい
  • 借地人(買主側)の属性・信用力が高い
  • 地代水準が周辺相場と比較して著しく高くない

落とし穴

「銀行融資が出るかどうかを確認せずに購入を進める」ケースは珍しくありません。借地権物件は金融機関によって対応が大きく分かれます。支店ごとに個別判断をする銀行も多く、事前相談(打診)なしに見込みを立てることはできません。融資確認は購入意思決定の前段階に組み込む必要があります。

チェックリスト

  • [ ] 地主から承諾書が取得できるか(または取得実績があるか)確認した
  • [ ] 借地契約の残存期間と希望融資期間を照合した
  • [ ] 金融機関への事前打診を、物件検討と並行して行った
  • [ ] 地代水準と地主属性(個人・法人)を確認した
  • [ ] 建物のみへの抵当権設定で対応できる金融機関を複数あたった

1分で要点整理

「借地権物件への融資は、所有権物件より金融機関の対応が絞られます。地主承諾書の取得可否・残存期間・地主属性・物件立地が審査の主な論点になります。融資確認は購入検討と並行して早期に動くことをお勧めします。」

判断基準

  • 地上権物件の場合:担保設定の制約が少なく、融資交渉の余地が相対的に広い
  • 賃借権(普通借地権)で地主が大手法人の場合:承諾フローが整備されていることが多く、融資打診がしやすい
  • 賃借権で地主が個人、かつ承諾の確認が取れていない場合:融資の目処が立たないうちに購入プロセスを進めるのは高リスク
  • 定期借地権で残存期間が短い場合:融資期間の制約が大きく、CF悪化のリスクが高い。現金購入前提か否かを最初に確認する

融資期間・CF・節税効果のバランスをどう考えるか

借地権物件の収益性を正しく評価するには、表面利回りだけでなく「地代負担を含めた実質CF」「融資期間の制約」「減価償却終了後のキャッシュフロー変化」を合わせて見る必要があります。

地代を含めた実質CF

借地権付き物件では、毎月の地代が継続コストとして発生します。地代は損金(経費)算入できますが、CF計算上は確実なアウトフローです。

簡易的な実質CF試算の考え方(数値は例示ではなく考え方の整理です):

実質年間CF ≈ 年間賃料収入
           - 年間ローン返済額(元本+利息)
           - 年間地代
           - 年間管理費・修繕積立金・固定資産税(建物分)
           - その他費用(保険・公租公課など)

地代の水準が相場より高い場合、利回りが高く見えても実質CFは圧迫されます。取得前に「地代込みの年間支出」を必ず試算してください。

融資期間の短さとCFへの影響

定期借地権の場合、融資期間が残存期間に縛られます。たとえば残存期間が15年であれば融資期間も15年以下になり、月々の元本返済額が大きくなります。返済が重くなればなるほど、実質CFが悪化するリスクがあります。

現金購入の場合はこの制約がなく、毎月のCFが地代・管理費・修繕費のみになります。現金余剰のある富裕層が借地権物件を現金で取得するケースは、この点が大きな理由のひとつです。

減価償却終了後のCF変化(デッドクロス)

建物の減価償却期間が終わると、帳簿上は「非現金費用がなくなる」ため、同じ家賃収入でも課税所得が増えます。これが「デッドクロス」と呼ばれる状態です。

借地権物件で法定耐用年数の短い木造・軽量鉄骨物件を取得した場合、減価償却が短期に終わるため、デッドクロスが早期に到来する可能性があります。節税効果を出口・売却計画まで含めて設計する必要があります。

落とし穴

「表面利回りが高い=借地権でも買い」という判断は危険です。地代・融資期間の制約・減価償却終了後の課税増加を無視すると、実質的な収益が大幅に下がります。判断前に「地代込みの実質CF試算」と「減価償却終了後の税務シナリオ」を税理士・不動産会社に整理してもらうことを推奨します。

チェックリスト

  • [ ] 地代込みの年間実質CF試算を行った
  • [ ] 融資ありの場合、融資期間と返済額を組み込んだCF計算をした
  • [ ] 減価償却終了年を把握し、デッドクロス後の税務シナリオを確認した
  • [ ] 地代の値上がりリスク(地代改定条項の有無)を確認した
  • [ ] 現金購入と融資購入でCFと節税効果の違いを比較した

1分で要点整理

「借地権物件の実力を見るには、表面利回りではなく『地代込みの実質CF』と『融資期間の制約』と『減価償却終了後の税務変化』の3点を合わせて確認してください。節税だけを目的に動くと、出口時に想定外の税負担が生じることがあります。」

判断基準

  • 現金余剰で融資不要の場合:返済コストがないため、地代水準さえ適正ならCFは安定しやすい。節税設計と出口計画を組み合わせやすい局面
  • 融資必要で残存期間に余裕がある普通借地権の場合:融資期間を長めに設定できるため、月次CFの圧迫が少ない。CFと節税のバランスが取りやすい
  • 定期借地権で残存期間が短い場合:返済が重く、CFが出にくい。節税目的の現金購入以外ではリスクが高い

底地購入オプションを含めた出口戦略をどう描くか

借地権物件の出口は「賃借権のまま売却」「底地を購入して所有権化して売却」「底地との等価交換」の3つが代表的です。どのルートを選ぶかで、売却価格・流動性・税務が大きく変わります。

出口ルートの概要

①賃借権のまま売却 最もシンプルですが、買主の融資がつきにくいため、購入希望者が絞られます。現金購入者・投資家・借地に精通した買主向けの市場になります。売却価格は立地・地代・残存期間に依存します。

②底地を購入して所有権化 借地権者(自分)が底地を地主から購入すると、「借地権+底地」で完全な土地所有権が成立します。所有権化すると担保評価・流動性・売却価格が大きく向上します。

底地の買取価格は、第三者間の「底地正常価格」より高い「限定価格」が採用されることがあります。これは、借地権者が購入する場合に限り、所有権化(更地価格に近い資産価値)のメリットが発生するためです(三井住友トラスト不動産の解説参照)。

③底地との等価交換 地主が底地の一部を、借地権者が借地権の一部をそれぞれ交換し、双方が所有権の土地を取得する方法です。広い土地で双方の合意が取れる場合に有効ですが、交換の合意形成が難航することもあります。

出口を念頭に置いた購入時の確認事項

将来の底地購入オプションを視野に入れるなら、購入時から以下を確認しておく必要があります:

  • 地主は底地売却に前向きか(またはその可能性があるか)
  • 地主が法人の場合、資産整理・相続などのタイミングで売却に動く可能性はあるか
  • 底地の評価額(路線価ベース)を把握しているか
  • 将来の底地取得資金を確保する見通しがあるか

落とし穴

「底地をいつか買えばよい」と曖昧なまま進め、地主が代替わりして底地が第三者に売却されてしまうケースがあります。底地が底地専門業者に渡ると、価格交渉が難しくなる場合があります。底地購入を出口シナリオに組み込む場合は、地主との関係性構築を早期から意識する必要があります。

チェックリスト

  • [ ] 出口として「賃借権のまま売却」か「底地購入後の所有権売却」か、方針を初期段階で整理した
  • [ ] 地主の底地売却意向(または可能性)を確認した
  • [ ] 底地の評価額(路線価ベース)を把握した
  • [ ] 底地取得資金の調達手段を検討した
  • [ ] 定期借地権の場合、契約終了後の建物取扱い(更地返還か建物付き返還か)を確認した

1分で要点整理

「借地権物件の出口は『賃借権のまま売る』か『底地を買って所有権化して売る』かで売却価格と流動性が大きく変わります。底地購入を将来の出口に組み込むなら、購入段階から地主の意向確認と資金計画を合わせて設計しておくことが重要です。」

判断基準

  • 地主が法人・大手信託で底地売却の可能性がある場合:将来の所有権化を出口シナリオに組み込める。現段階での取得価格と底地取得コストの合計を所有権物件と比較して検討する
  • 地主が個人で底地売却意向が不明な場合:賃借権のまま出口になるリスクを織り込んで収益・売却価格を評価する
  • 定期借地権で残存期間が短い場合:底地購入でなく、残存期間中のCF回収と期間終了後の出口(建物処分費用含む)を事前に試算する

よくある質問

Q1. 借地権物件は所有権物件より必ず安いですか?

A. 同立地・同築年数の所有権物件と比べると、借地権付き物件は取得価格が低めになることが一般的です。ただし「安さの理由」を正確に把握する必要があります。地代・承諾関係の複雑さ・流動性の低さ・融資のつきにくさが価格に折り込まれているためです。「安いから得」ではなく「安さの中身を理解した上でプラスがあるか」が判断の出発点です。

Q2. 賃借権の場合、売却時には必ず地主承諾が必要ですか?

A. 原則として必要です。賃借権は第三者に譲渡する場合に地主の承諾が必要とされており(借地借家法)、承諾なく譲渡すると契約解除の対象になり得ます。なお、地主が正当な理由なく承諾を拒否する場合は、裁判所への許可申請という手段が法律上存在します(借地非訟手続き)が、時間とコストがかかります。

Q3. 借地権物件への融資は、どのような属性なら通りやすいですか?

A. 金融機関は物件の権利条件だけでなく、申込者の信用力・属性も重視します。一般的に、資産背景がある富裕層・法人オーナーは個人向け融資より交渉の幅が広い場合があります。ただし、最終的には物件ごとの権利関係・地主属性・立地条件と組み合わせた個別判断になるため、金融機関への事前打診なしに可否を見込むことはできません。


用語解説

  • 借地権【しゃくちけん】: 建物を所有する目的で他人の土地を借りる権利のこと。「地上権」と「賃借権」の2種類があり、権利の強さが異なります(借地借家法第2条1号に定義)。
  • 底地【そこち】: 借地権が設定された土地について、地主が持つ「土地所有権」の部分。借地人がいる間は地主が自由に土地を使えないため、通常の更地より流動性が低く評価されます。
  • 法定耐用年数【ほうていたいようねんすう】: 税法上、建物の減価償却期間を決めるために国が定めた年数(国税庁「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」に基づく)。実際の建物の寿命とは異なり、あくまで税務計算上の指標です。
  • デッドクロス【でっどくろす】: 不動産投資で、ローン元本返済額(現金アウト)が減価償却費(非現金費用)を上回り始める時点のこと。税務上の利益と実際のキャッシュフローがズレるため、節税効果が薄まる一方で税負担が増えるリスクがあります。
  • 地代【じだい】: 借地権者が土地を借りる対価として地主に支払う賃料のこと。継続的な現金支出になるため、CF試算では年間地代を必ず組み込む必要があります。

免責事項: 本記事は一般的な情報提供を目的としており、法的助言・税務助言・投資助言ではありません。制度、税制、金利、審査条件、各種運用ルールは変更される可能性があります。個別案件については、不動産会社、金融機関、税理士、弁護士等の専門家にご確認ください。


引用元:

  • [1] 国税庁「No.4611 借地権の評価」 – https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hyoka/4611.htm
  • [2] e-Gov法令検索「借地借家法第2条1号」(借地借家法の定義規定) – https://laws.e-gov.go.jp/law/403AC0000000090
  • [3] 住宅金融支援機構「フラット35:敷地が借地の場合の融資条件」 – https://jhffaq.jp/jhffaq/flat35/web/knowledge440.html
  • [4] 国税庁「確定申告書等作成コーナー:耐用年数(建物/建物附属設備)」 – https://www.keisan.nta.go.jp/r2yokuaru/aoiroshinkoku/hitsuyokeihi/genkashokyakuhi/taiyonensutatemono.html
  • [5] 三井住友トラスト不動産「借地人が底地を買いたいとき~限定価格という価格の種類」 – https://smtrc.jp/useful/knowledge/hyoka-kakaku/2020_08.html

この記事を書いた人

この記事は 櫻井 洸太 が執筆しています。建築・テレビ業界・営業の経験で得たフットワークの軽さを武器に、収益不動産のこれからをご提案していきます。 執筆者紹介はこちら

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