買う前に集める資料一覧

はじめての収益不動産
はじめに

こんにちは。BANYUの新村です。
収益不動産の購入を検討される際、多くの方がまず価格や利回りに目を向けられます。
しかし実際には、購入後のトラブルや想定外の支出を防ぐために、物件資料をどこまで確認できるかが非常に重要です。
今回は、初めて収益不動産を購入される方に向けて、「購入前に必ず確認したい資料」と「資料を見る際のポイント」をまとめました。
これから物件検討を始める方はもちろん、既に複数物件を所有されている方も改めてチェックリストとしてご活用いただければ幸いです。

速攻要点整理
  • 概要書は「売るための資料」です。裏を取る資料を別に取り寄せるところから始まります
  • レントロールは入口の資料。賃料のばらつき、入居日の偏り、空室期間、契約形態、滞納の有無をまず見ます
  • 修繕履歴がない=修繕費ゼロ、ではありません。見えていないだけです
  • 資料が出てこない物件は、それ自体が情報リスクです。出す速さと中身の揃い方も見ています
  • 資料請求は、この一言でまとめて出せます:「検討を進めたいので、以下の資料をいただけますか。レントロールの最新版、固定資産税の課税明細、修繕履歴(あれば修繕計画も)、管理委託契約書、登記簿謄本の写し、可能であれば賃貸借契約書の主要部分です。確認後に追加の質問があるかもしれませんが、まずはこの一式で検討させてください。」

「概要書は見ました。この先、何を取り寄せればいいですか。」

物件を初めて検討される方から、このご相談をよくいただきます。

概要書は売主側が作る資料です。書いてあることは間違っていなくても、書かれていないことがある。だから概要書だけで進めると、入居の実態や修繕、税金の負担を、買ったあとに知ることになります。

以前、順法性(建物が法令に合っているか)に問題のある物件で、融資が決済の直前まで難航した案件がありました。図面と現況のずれは、資料を早い段階で突き合わせていれば見つかったものです。資料は、買うかどうかを決めるためだけでなく、融資を通すためにも要ります。

この記事では、そろえる資料と、その読み方を順に見ていきます。

購入前の勝負は「資料の棚卸し」

まずは考え方からです。

資料がそろわない物件は「情報リスクが高い」状態です。そしてこれ自体が、買うか見送るかを決める材料になります。

営業では、資料の中身だけでなく、出てくるまでの速さも見ています。すぐ出る物件は、売主側が管理できている証拠だからです。逆に、何度お願いしても出てこない物件は、出せない事情があるケースが少なくありません。

最低限そろえる資料

では、具体的に何を取り寄せるのか。

共通で必須なのは、概要書・レントロール・登記簿謄本・固定資産税明細・収支表(あれば)・重説ドラフトの6点です。

一棟物件なら、ここに修繕履歴・管理委託契約書・建物図面・公図が加わります。区分マンションなら、管理規約と調査報告書です。

数は多く見えますが、1件ずつ取り寄せるものではありません。要点整理の最後に載せた文面をそのまま送れば、一式でお願いできます。

図1 買う前にそろえる資料は、決まっています
図1 買う前にそろえる資料は、決まっています

レントロールの見方

資料がそろったら、最初に開くのがレントロールです。

見るのは5つ。賃料のばらつき、入居日の偏り、空室期間、契約形態、滞納の有無。ここに不自然さがあれば、その理由を売主側に聞きます。

ただ、レントロールだけで分かることには限りがあります。契約書の特約、周辺の相場、建物の劣化、募集の条件、修繕の要否。これらはレントロールには載りません。

賃貸借契約書・修繕履歴・募集条件と並べて初めて、全体像が見えてきます。レントロールは、あくまで入口の資料です。

図2 レントロールで見えるもの、見えないもの
図2 レントロールで見えるもの、見えないもの

修繕履歴の見方

レントロールの次が修繕履歴です。これは将来の支出を読むための資料であり、建物の状態を裏から取るための資料でもあります。

見るのは3か所です。屋根・外壁・防水(大規模修繕は12年周期が目安)、給排水管の更新状況、共用設備の点検記録。

注意していただきたいのは、記載がないからといって修繕していないとは限らない点です。記録を残していないだけの物件もあります。ただ、履歴が出てこない場合は、売主へ直接聞くしかありません。

修繕は「いつか来る費用」です。履歴がないのは費用がゼロという意味ではなく、見えていないだけだと考えます。

資料が不明瞭なときの判断

最後に、不明な点が残ったときの進め方です。

不明点があっても、その場で見送る必要はありません。ただし放置したまま買うのは危険です。次の3つに仕分けます。

①追加で聞けば解消するもの 最新版の請求、明細の取得、図面の補完など。これは手間の問題なので、動けば消えます。

②条件次第で致命傷になり得るもの 修繕履歴がない、レントロールの賃料が相場と離れている、契約書が一部しか開示されない。ここは金額に直結するので、詰め切ってから進みます。

③撤退を考えるもの 資料ごとに数字が合わない、説明が二転三転する、権利関係がはっきりしない。この3つのどれかが出たら、いったん止めたほうが早いです。

図3 不明点が残ったら、3つに仕分けます
図3 不明点が残ったら、3つに仕分けます

集めた資料で収支をどう読むかは収支の見方に、その資料を持って融資をどう進めるかは融資の全体手順にまとめていますので、あわせてご覧ください。

現場目線

私自身、日々多くの収益物件を取り扱っていますが、購入後の後悔につながるケースの多くは「物件が悪かった」のではなく、「事前確認が不足していた」ことが原因です。
特にレントロール、修繕履歴、固定資産税明細は、収益性や将来の支出を判断する上で非常に重要な資料です。
また、資料の提出が遅い、内容が曖昧、数字に整合性がないといった場合は、その点自体がリスク判断の材料になります。
良い物件を見つけることも大切ですが、それ以上に重要なのは『購入判断に必要な情報を揃えること』です。
気になる物件がございましたら、資料取得や内容確認のお手伝いも可能ですので、お気軽にご相談ください。

まとめ

概要書の先にある「裏を取る資料」をそろえること。これが購入前にできる一番効く準備です。
レントロールは入口、修繕履歴は将来の支出、そして資料の出方そのものが売主側の状態を映します。
不明な点が残ったら、追加で聞く・詰め切る・止める、の3つに仕分ける。1人で抱え込む必要はありません。
資料の取り寄せから読み方まで、いつでもお手伝いします。気になる物件があれば、まずは概要書だけでもお送りください!


免責事項: 本記事は情報提供を目的としており、投資・法的・税務助言ではありません。制度・税制・金利等は変更される場合があるため、最新情報は公的機関・専門家にご確認ください。


引用元:

この記事を書いた人

この記事は、BANYU営業担当の新村純平が執筆しています。現場で動いて集めた一次情報をもとに、立地や物件ごとの特徴を多角的に捉えてお伝えします。
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この記事を書いた人

この記事は 櫻井 洸太 が執筆しています。建築・テレビ業界・営業の経験で得たフットワークの軽さを武器に、収益不動産のこれからをご提案していきます。 執筆者紹介はこちら

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