ネット銀行融資の事務攻略|申込〜契約を止めない段取りとテンプレ

運用・出口・現場知見
はじめに

こんにちは。BANYU櫻井です。
本日はネット銀行の融資についてのお話です。ネット銀行でも融資の審査には実際時間はかかります。
物件情報については仲介業者が取り揃えますが、ご属性など「属性層」の資料は今後収益を購入検討されておりましたら、事前にご準備されることをお勧めいたします。

速攻要点整理
  • 「ネット銀行は早い」は条件付きです。入口の段取りで決まります
  • 資料は3層に分けて、1回の依頼でまとめて揃えます。属性・物件・特殊対応
  • 止まる理由の多くは4つ。金融資産・修繕・法人実態・CFの前提に「不明」が残っていること
  • 団信・口座開設・名義確認は、本申込と同時に走らせます

「ネット銀行なら早いですよね。」

このように聞かれます。

半分は合っているかと思います。ただ、早いのは「入口で必要な情報が揃っていて、詰まりやすい論点を先に潰してある案件」だけです。

以前、物件が決まる前にプロフィールシートを記入して返してくださった方がいらっしゃいました。それを持って金融機関に目線を確認しにいけましたので、いざ物件が出たときの動きがまったく違いました。

逆に、物件が決まってから残高証明を集め始めると、、、これは間に合いません。窓口の発行に数日かかりますし、借入が複数行にあれば全行分が要ります。

本日は、止まらないための段取りと、そのまま使えるテンプレをご紹介します。

資料パッケージを一回で揃える

まずは、資料からです。

ネット銀行を使えば審査が自動的に早くなる、という理解は半分しか正しくありません。実態は、入口で必要な情報が揃い、詰まりやすい論点を先回りで潰した案件だけが速い、ということかと思います。

資料は3層に分けて事前に組み立てます。属性層・物件層・特殊対応層。そして1回の依頼で完全に揃える。これが原則です。

特に「金融資産の証明」と「既存借入の返済予定表」は取得に時間がかかります。物件が決まる前から準備を始めておきたいところです。

▼ 資料一式テンプレ(コピペして使用)

【A層:本人・属性資料(個人)】

  • 本人確認書類(運転免許証またはマイナンバーカード、表裏PDF)
  • 住民票の写し(発行から3ヵ月以内)
  • 印鑑証明書(発行から3ヵ月以内)
  • 源泉徴収票(直近2〜3年分)
  • 確定申告書一式(第一表・第二表・青色申告決算書または収支内訳書、直近2〜3年分)
  • 納税証明書(その1・その2、直近2〜3年分)
  • 金融資産の証明(預金通帳の写し・残高証明書・有価証券残高・生命保険解約返戻金証明)
  • 既存借入の返済予定表・借入明細(住宅ローン・不動産投資ローン・カードローン等すべて)
  • 所有不動産の登記事項証明書(保有物件がある場合)
  • 職歴書・職業説明書(勤務先・役職・年収・不動産投資歴を簡潔にまとめたもの)

【B層:本人・属性資料(法人追加分)】

  • 法人登記事項証明書(3ヵ月以内)
  • 定款のコピー
  • 決算書一式(貸借対照表・損益計算書・勘定科目内訳書、直近2〜3期分)
  • 法人納税証明書(その1・その2、直近2〜3年分)
  • 法人の預金通帳の写し・残高証明
  • グループ会社一覧(関連法人がある場合)
  • 代表者の個人確認書類・印鑑証明(A層に準ずる)
  • 事務所の賃貸借契約書(法人実態確認のため)
  • 固定電話番号・常駐状況の確認(メモで可)

【C層:物件資料(基本セット)】

  • 物件概要書(間取り・面積・構造・所在地・価格等)
  • レントロール(現況稼働状況・賃料・入居者属性一覧)
  • 登記事項証明書(土地・建物、最新版)
  • 公図
  • 売買契約書・重要事項説明書(契約済みの場合)
  • 固定資産税納税通知書または評価証明書
  • 賃貸借契約書の写し(入居者がいる場合)

【D層:物件資料(築古・特殊案件で追加)】

  • 修繕履歴一覧・修繕見積書・室内写真・外壁写真
  • 建築確認済証・検査済証(または台帳記載事項証明書)
  • 図面一式(平面図・立面図・配置図)
  • 耐震診断書(旧耐震基準の場合)
  • 管理会社との管理委託契約書・運営実績

【CF試算の前提整理(打診前に「不明」をゼロにする)】

  • 想定賃料収入:○○円/月(満室想定)
  • 稼働率の実績・想定:○○%
  • 管理費:賃料収入の○○%(管理会社名:  )
  • 修繕積立費:○○円/月(根拠:  )
  • 固定資産税:○○円/年(評価証明書添付)
  • 火災保険料:○○円/年
  • その他費用(AD費等):○○円/年
  • 借入想定額:○○円
  • 金利想定:○○%(固定/変動)
  • 返済期間想定:○○年
  • 月次CF(概算):賃料収入-運営費-返済額=○○円
図1 資料は3層。1回の依頼で揃えます
図1 資料は3層。1回の依頼で揃えます

審査が詰まりやすい地雷項目と連絡運用

次に、止まる理由です。

審査が途中で止まるのは「案件が悪い」からではありません。「確認できない情報がある」からです。

止まりやすいのは4点。金融資産、修繕の状況、法人の実態、そしてCF試算の前提。ここに「不明」が残ったまま申し込むと、追加照会の往復で日程が消えていきます。

お客様への依頼は、一式リストにして1回で送る。これが基本です。小出しにすると、そのたびに待ち時間が生まれます。

銀行への打診は、件名で案件を識別できるようにしておくと、問い合わせの往復が減ります。

そして残高証明書。窓口の発行に数日かかりますし、複数行に借入があれば全行分が要ります。物件が決まってから急いで集めると、間に合いません。なお、法人の実態(固定電話・常駐者・賃貸借契約)がどう見られるかは銀行の「圏外」リストにまとめていますので、あわせてご覧ください。

▼ 顧客への資料依頼メール雛形(コピペして使用)

件名:【○○物件】ご融資申込に必要な書類のご依頼(一式)

○○様

お疲れ様です。○○(担当名)です。

○○物件のご融資申込に向けて、下記の書類をご準備いただけますでしょうか。
まとめてご提出いただけると審査がスムーズに進みますため、
可能であれば○月○日(○)までにPDFでお送りいただけますと助かります。

【ご用意いただく書類リスト】

■ 本人確認・属性

  • 運転免許証またはマイナンバーカード(表裏)
  • 住民票(3ヵ月以内)
  • 印鑑証明書(3ヵ月以内)
  • 源泉徴収票(直近2〜3年分)
  • 確定申告書一式(直近2〜3年分、お持ちの場合)
  • 納税証明書(その1・その2、直近2〜3年分)

■ 金融資産・借入

  • 預金通帳の写し(全口座、直近3ヵ月分)または残高証明書
  • その他金融資産(有価証券・生命保険等)の残高証明
  • 既存借入の返済予定表(住宅ローン・投資ローン・カードローン等すべて)

■ 法人の場合(追加)

  • 法人登記事項証明書(3ヵ月以内)
  • 決算書一式(直近2〜3期分)
  • 法人納税証明書(直近2〜3年分)
  • 事務所の賃貸借契約書

ご不明点があればいつでもご連絡ください。
書類はLINEまたはメールのどちらでもお送りいただけます。

○○(担当名) TEL:    LINE ID:

▼ 銀行打診メールの件名テンプレ

【打診】○○物件 / ○○市○○区 / 個人(または法人名) / 担当:○○

図2 確認できない情報があると、そこで止まります
図2 確認できない情報があると、そこで止まります

契約直前で止めない最終チェック

最後に、契約の直前です。

審査が通ったあと、団信・口座開設・名義確認を別々に処理して日程が崩れるケースがあります。

本申込と同時に、一体で進める。そして期日を見えるようにしておく。ここが決済を止めない最後のポイントかと思います。

団信の健康告知で問題が出ると、代替の保険の対応に日数がかかります。名義確認の漏れは、契約の当日に発覚することがあります。書類の突合は、遅くとも契約の1週間前には終わらせておきたいところです。

▼ 期日管理テンプレ(コピペして使用)

  • 案件名:○○物件
  • 売買契約締結日:○月○日
  • 融資特約解除期日:○月○日(★最優先)
  • 本申込期限(逆算):○月○日まで
  • 審査承認見込み:○月○日ごろ
  • 金銭消費貸借契約日:○月○日
  • 決済・引渡し日:○月○日
  • 司法書士への書類提出期限:○月○日
  • 小切手・振込手配期限:○月○日
  • 口座開設完了確認期限:○月○日

物件概要書から収支のデータを抜き出す作業の手間を減らす方法は物件概要書→収支データ抽出のAI半自動化にまとめていますので、あわせてご覧いただけますと幸いです。

現場目線

このように必要書類を不備なくまとめて送ることでスムーズな審査に繋がります。
見落としがちですが、健康診断書なども、自営業の方は注意が必要です。
ご自身のお身体と購入に際して健康診断書が必要というこの2点から、日頃から健康診断を受けられることをお勧めします。

まとめ

ネット銀行融資の速さは、段取りで大きく変わるかと思います。
資料を3層で事前に組み立てて、地雷4点を先に潰し、契約直前の手続きを本申込と同時に走らせる。
この型にしておくと追加照会の往復が減り、融資特約の解除期日を守りやすくなるのではないでしょうか。


免責事項: 本記事は一般的な情報提供を目的としており、法的助言・税務助言・投資助言ではありません。必要書類・審査基準・審査期間は金融機関、申込者の属性、物件の特性によって異なります。制度、税制、金利、各種審査条件は変更される可能性があります。個別案件については、不動産会社、金融機関、税理士、弁護士等の専門家にご確認ください。


引用元:

この記事を書いた人

この記事は、櫻井洸太が執筆しています。建築・テレビ業界・営業の経験で得たフットワークの軽さを武器に、収益不動産のこれからをご提案していきます。
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この記事は 櫻井 洸太 が執筆しています。建築・テレビ業界・営業の経験で得たフットワークの軽さを武器に、収益不動産のこれからをご提案していきます。 執筆者紹介はこちら

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