「管理会社を変える」決断:踏み切れない理由と変更の実務手順

中上級者の次の一手
はじめに

こんにちは。BANYU櫻井です。
本日は管理会社についてのお話です。管理会社はオーナー様に代わり日々の管理をしてくれる大事なポジションです。
また毎月かかるランニングコストにもなるので、何にどれぐらいかかっているのかの確認は必要です。
加えて管理会社との信頼関係は、その後収益を生み続ける上で大事だと思います。

速攻要点整理
  • 管理会社を変えても、入居者との賃貸借契約の中身は変わりません
  • 入居者への影響は2つだけです。振込口座と緊急連絡先
  • 動く前に確かめるのは3つ。解約の予告期間、違約金、預かり敷金の残高
  • 順番があります。新しい管理会社を決めてから、旧管理会社へ解約通知を出します

「管理は任せる前提で買っています。」

オーナー様とお話ししていると、この前提の方がほとんどかと思います。自主管理はしない。だからこそ、任せる相手は大事になります。

ただ、不満を持ちながらも替えられないという方は少なくありません。理由はだいたい2つです。「変えるのが面倒」「入居者に影響が出るのでは」。

実際のところ、入居者への影響は振込口座と緊急連絡先の2つだけです。引継ぎの実務も、大半は管理会社どうしで進みます。

そして、替えないという選択にも収益悪化のリスクはあります。

本日は、替えるかどうかの判断と、替えるときの順番をお話しします。

オーナーが管理会社変更に踏み切れない理由は何か

まずは、心理的なハードルからです。

管理会社を変えても、入居者との賃貸借契約の内容は変わりません。入居者への影響は、振込口座と緊急連絡先の変更のみで、これは新しい管理会社が書面で告知します。

引継ぎの実務も、大半は管理会社どうしで行われます。オーナー様が直接動く場面は、解約通知、新しい管理会社との契約書への署名、そして書類の確認くらいです。

つまり「面倒だから」という理由の中身は、思っているより小さいかと思います。

そのうえで押さえておきたいのが、「変えない現状維持」にも収益悪化のリスクがあるという点です。

ひとつだけ注意があります。変更の意思を固める前に、旧管理会社への解約通知を先走らせないこと。新しい管理会社の選定が済んでから、順序よく進めるのが原則です。

図1 入居者に伝わるのは、この2つだけです
図1 入居者に伝わるのは、この2つだけです

管理会社を変更するメリット・デメリット

では、何が得られて、何を負担するのか。並べて比べます。

メリット①:空室対策・修繕対応・報告体制が改善しうる。 仲介のネットワークや賃料設定の提案力が変われば、稼働率と収益に直接効いてきます。

メリット②:費用の内訳が見直せる。 広告費、修繕手配の手数料、更新事務の手数料。何が管理料に含まれていて、何が別料金なのかを棚卸しできます。

メリット③:入居者への影響は限定的。 賃貸借契約の内容は変わらず、変更点は振込口座と緊急連絡先のみです。

デメリット①:解約の予告期間と違約金が発生しうる。 国土交通省の標準では3か月前の書面通知が必要で、契約によっては違約金がかかります。

デメリット②:精算と引継ぎの確認に手間がかかる。 預かり敷金の残高照合、月割の精算、未収家賃、引継ぎ書類のチェック。ここはオーナー様側でも把握が要ります。

デメリット③:時期によって引継ぎの品質が下がる。 管理会社の繁忙期(1〜3月)に重なると、対応が薄くなるリスクがあります。

変更前に確認すべき契約・精算・引継ぎの論点

判断が固まったら、動く前の確認です。

まず現在の管理委託契約書を見ます。解約の予告期間(国土交通省の標準では3か月前の書面通知)と、違約金の有無です。次の更新のタイミングで切り替えを狙うと、違約金を避けやすい場合があります。

精算で押さえるのは3点。預かり敷金の残高、管理費の月割精算、未収家賃。

特に敷金は、旧管理会社が入居者から預かっていた残高を書面で確かめ、新しい管理会社への移管金額と照らします。ここを管理会社どうしに任せきりにしないこと。ここが一番大事かと思います。

引継ぎの書類(賃貸借契約書・鍵・修繕履歴・法定点検記録・家賃保証の状況)のリストも、手元で把握しておきます。

なお、そもそも管理費の中身をどう点検するかは管理費5%のブラックボックスにまとめていますので、あわせてご覧ください。

管理会社変更の実務手順をどう進めるか

順番です。ここを間違えると宙に浮きます。

新しい管理会社を先に決める → 旧管理会社へ解約通知 → 引継ぎ確認 → 入居者へ通知 → 切り替え。この順です。

旧管理会社への通知より前に、新しい管理会社を選定して契約しておく。これでスケジュールが安定します。

解約通知は書面で、予告期間を守って送ります。

引継ぎでは、オーナー様が月末・月初の家賃精算の二重払いや漏れを確かめます。入居者への通知は、切り替えの1か月以上前に行います。

そして時期です。管理会社の繁忙期(1〜3月)は引継ぎの品質が下がるリスクがありますので、4〜11月に切り替えを終えるのが望ましいかと思います。

旧管理会社が非協力的になるケースもあります。感情的な対立は避けて、契約上の権利にもとづいて粛々と進める。これが結果的に早いです。

図2 順番を間違えると、宙に浮きます
図2 順番を間違えると、宙に浮きます

新管理会社候補をどうスクリーニングするか

最後に、選び方です。

「管理料の安さ」だけで決めるのは、いちばんリスクが高い決め方かと思います。

大事なのは料率の高低ではなく、「何が含まれていて何が別料金か」の透明性です。広告費、修繕手配の手数料、更新事務の手数料、退去時の原状回復の費用体系。ここを確かめます。

空室対策の実力は、担当エリアの仲介ネットワーク、ポータル掲載の実績、賃料設定の提案力で見ます。入居者対応は、緊急時の24時間対応の体制と、修繕工事の発注フロー。

候補は2〜3社から見積もりを取って、業務範囲と別料金の内訳を並べて比べる。ここが判断の土台になります。

管理料が安くても対応が薄い場合、収益の改善につながらないだけでなく、入居者の満足の低下を招くこともあります。

現場目線

このように管理会社選びは収益物件を保有する上で切っても切れないと思います。
実際私がマイソクを見るときに「管理会社変更不可」と記載がある場合、管理会社との契約書を確認して、何にどのぐらいかかっているのかを確認します。
オーナー様においてもご自身で管理会社との契約内容を確認してみるのはいかがでしょうか。

まとめ

管理会社の変更は、入居者との賃貸借契約に影響しません。引継ぎの実務も、大半は管理会社どうしで進みます。
メリットは空室対策・修繕対応・費用の透明性が改善しうること。デメリットは解約の予告期間と違約金、そして精算・引継ぎの手間です。
動く前に契約書と敷金の残高を確かめ、新しい管理会社を決めてから解約通知を出す。この順序だけは守りたいところです。


免責事項: 本記事は一般的な情報提供を目的としており、法的助言・税務助言・投資助言ではありません。制度、税制、金利、審査条件、各種運用ルールは変更される可能性があります。個別案件については、不動産会社、金融機関、税理士、弁護士等の専門家にご確認ください。


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この記事を書いた人

この記事は、櫻井洸太が執筆しています。建築・テレビ業界・営業の経験で得たフットワークの軽さを武器に、収益不動産のこれからをご提案していきます。
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この記事は 櫻井 洸太 が執筆しています。建築・テレビ業界・営業の経験で得たフットワークの軽さを武器に、収益不動産のこれからをご提案していきます。 執筆者紹介はこちら

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